効率化という言葉は、多くの場合「良いこと」として扱われます。
無駄が減り、スピードが上がり、成果が出やすくなる。
理屈としては、反対する理由が見当たらないように見えます。
それでも現場では、効率化が歓迎されない場面が少なくありません。
むしろ、表立っては賛成しつつ、実際の運用では元に戻っていくこともあります。
このズレは、効率化そのものが悪いというより、
効率化が対象としているものと、現場が日々向き合っているものが一致していないことから生じます。
多くの効率化は、作業単位や時間、手順の削減を前提に設計されます。
一方、現場では例外対応や調整、曖昧な判断が仕事の大部分を占めていることがあります。
削減しやすい部分だけが効率化され、
削減しにくい負荷がそのまま残ると、
体感としては「楽になる」どころか「余裕がなくなる」こともあります。
効率化が歓迎されないのは、合理性の欠如ではなく、
現場が感じている負担の位置が、設計側とずれている場合なのかもしれません。