組織や制度の中には、すでに現実と合わなくなっている前提が、そのまま残り続けていることがあります。誰も積極的に支持しているわけではないのに、前提だけが生き残っている状態です。
過去の前提が残り続ける理由の一つは、その前提が意識されなくなることにあります。前提は、もともと疑われないものとして存在します。時間が経つにつれて、それが前提であること自体が見えなくなり、問い直される機会を失います。
また、前提を見直すことは、制度や判断の根拠を揺るがす行為でもあります。そのため、前提に手を付けることは負担が大きく、避けられやすくなります。結果として、前提は暗黙のまま維持されます。
さらに、前提を変えることで生じる影響範囲が分からない場合、リスクが過大に見積もられます。実際には限定的な影響であっても、「変えたら大変そうだ」という感覚が行動を止めます。
過去の前提が残り続けると、新しい施策や改善が前提と噛み合わなくなります。その結果、表面的な調整が増え、複雑さが蓄積されます。
前提を見直すことは、過去を否定することではありません。どのような状況のもとで、その前提が選ばれたのかを理解した上で、今も有効かどうかを問い直すことが重要です。前提は見えにくいからこそ、意識的に扱う必要があります。