制度疲労が起きるまでの典型パターン

制度は、一定の目的を達成するために設計されます。導入当初は目的と手段が明確で、現場にも納得感があります。しかし、時間の経過とともに、制度が本来の機能を果たしにくくなる状態が生まれます。これがいわゆる制度疲労です。

制度疲労は、突然起こるものではありません。最初は小さな違和感として現れます。例外対応が増え、手続きが煩雑になり、制度を守ること自体が目的化していきます。それでも、制度は一応機能しているため、大きな見直しは行われません。

次の段階では、制度を補うための運用が増えます。正式な制度とは別に、暗黙のルールや非公式な調整が積み重なります。制度と現実の間にギャップが生まれますが、そのギャップを埋めることで何とか回っている状態が続きます。

さらに時間が経つと、制度を理解し、運用できる人が限られてきます。制度は複雑化し、新しく関わる人には分かりにくいものになります。その結果、制度は一部の人に依存する形になります。

制度疲労が深刻になると、「変えるのは大変だから今のままでいい」という空気が生まれます。問題は認識されていても、手を付けること自体が負担になります。この段階では、制度の目的を振り返る機会はほとんど失われています。

制度疲労を防ぐためには、問題が顕在化してから対応するのではなく、違和感が小さい段階で前提を見直す必要があります。制度は使われ続けることで消耗します。その消耗を前提にした見直しがなければ、制度は徐々に動かなくなっていきます。